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ビジネススクールの論文で老後の住まいを問う

かつて学んだビジネススクール(BBT)の仲間が、その卒業論文で「中古住宅市場の活性化」を取り上げるということで、いろいろアドバイスをしていたのだが、その論文がいよいよ完成した。内容は「高齢者の賃貸住宅への住み替え促進プラン」というタイトルとしてまとめられ、中古住宅全般をテーマにしながら、最終的には高齢者住宅の問題にフォーカスしたあたり、なるほどと思った。 日本は不動産ストックが活用されていないという問題の悪循環の一端に中古住宅の取引きが活発でないことが挙げられる。そのため、新築住宅が住宅供給の主役となり、それがスクラップアンドビルドを促している。中古住宅の流通を妨げている要因を探っていくと、その大多数の持ち主である高齢者の方々の住まいの問題に行き着く。働き盛りの時に買った住宅に家族で住んでいたのが、今は子供も巣立って、その大きな家に夫婦ふたりかひとりで暮らしている。大きすぎる家は掃除も手入れも大変だ。もう少しコンパクトな家に引っ越せばよさそうなものの、長年暮らした家を離れたくない、離れられないという実情が浮かび上がる。そして死ぬまでそこに暮らし続けるのだが、それが幸せな人生なのかは分からないし、大きな住宅は若い世代に有効活用してもらうのがいい。 その潜在的な住み替えニーズに着目したのが、この論文であって、さらに高齢者の住まいとして賃貸住宅をもっと選択肢に入れるべきと提言している。独自アンケート調査の結果によると、50歳以上の方が抱く賃貸住宅に対するイメージが悪く、今後の住まいとして検討の対象に上ることが少ない。一方、賃貸オーナーは孤独死問題を懸念して、高齢の方にあまり部屋を貸したくないというのが本音である。これが高齢者の住まいとして賃貸住宅が少数にとどまっている現状だ。 そこで具体的な施策として、投資とプロモーションの観点で戦略プランがまとめられた。その辺りがビジネススクールのレポートらしいと思った。通常、こういったテーマは行政の福祉政策の一環として語られがちだが、その結論は補助金やそのルール作りに留まる。しかし、これをビジネスの機会としてとらえ、市場原理をうまく利用することで補助金に頼らずに継続性を得て、なおかつ社会的な意義を感じながら取り組めれば、素晴らしいビジネスに育っていくだろう。こういう議論をもっと広げたいと強く感じた。 ビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT-MBA) http://www.ohmae.ac.jp/

 コンサルティング事例 
どうすればいいのか分からない

自宅や賃貸アパート、ビルなど建物(不動産)もはじめの頃は問題があまりなかったものの、年が経つごとに次第に悩みが多かれ少なかれ生じてきます。気が付くと問題が山積みになっているというようなこともしばしば見受けられます。特に古い建物になればなるほど、そういった傾向が目立ってきます。

古い建物に共通する問題

  • 経年劣化による不具合の問題

  ……漏水、設備故障、ひび割れ、傾きなど

  • 建てた(買った)時からの時代の変化によるミスマッチ

  ……家族構成・勤務先・収入等の変化、時代遅れの設備・耐震・断熱性能など

  • 建物とともにオーナーも歳をとることでの問題

  ……定年退職、気力の低下、親の相続、自分の相続

ある築年数でこれらの問題が一度に押し寄せるため、「どこから手をつけていいのか分からない」という状況に陥りがちです。しかし、複雑に見えることでも冷静に整理すれば、たいてい不動産に関する問題解決のパターンとして大きく以下の5つが考えられるものです。

<問題解決のパターン>
1. 売る
2. 貸す
3. 建替える
4. 使い続ける
5. 上記の組合せ

AIRYFLOWのコンサルティングでは、これらの選択肢を洗い出すところからスタートし、それらを中立客観的にかつ長期的な視点で比較検討して具体的なアクションまでサポートします。

納得できる解決方法が見つかります。