「消滅可能都市」豊島区がリノベーションにかける
東京で初のリノベーションスクールの開催ということで、公開プレゼンテーションを見て、懇親会にも参加してきた。発表のクオリティはとても高かった。どれも実現すると面白いと思わせるものばかりだった。事業収支の数字もわるくない。これで、空き店舗などのオーナーが利益を得ながら、街が生き生きとしてくるならば、一挙両得の素晴らしいことだ。単に集客を狙っているばかりでなく、地元の人たちの生活が楽しくなっていくような仕掛けが考えられていて、まさしく「三方よし」だ。 東京23区で唯一「消滅可能性都市」にランクインしていた豊島区では、昨年のその統計の発表を受けて区民から問い合わせが殺到し、その対応施策のひとつとしてこのリノベーションスクールに期待が寄せされていた。消滅可能性の考え方は、今後30年間で女性の人口が半分になる自治体を「消滅する可能性が高い」という評価をしてランキングされたものだ。女性人口の予想をどのような数式ではじき出したかはよく分からないが、出産適齢期の女性が住みたいと思える街でなければ、人口が増えない(減り続ける)という考え方も確かに理解できる。しかし、直近では人口流入著しい豊島区が田舎の農村などと並んで「消滅するかもしれない」という話はないのではないかという気もする。 いずれにしても、汚名を名指しされた形の豊島区が、区長自ら先導して躍起になって行動するはめになったことは、むしろ幸運だったかもしれない。言われるまでもなく、豊島区内ではすでに有志によるゲリラ的なまちづくりの動きがはじめられているくらいだから、本当に危機感を持つべきは消滅可能性が指摘されなかった地域かもしれない。
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