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古い一軒家をシェアハウスに改装 PART4 【DIY編】


ユウトヴィレッジは「みんなで作る」のがコンセプトだ。入居予定者をはじめ、その友達のまた友達を集めて、壁を塗ったり、床を張ったりをDIY(ディー・アイ・ワイ:Do It Yourself、自分でやること)でする。これまでも、元の壁や天井を壊すのもDIYでやってきた(PART1参照)。「壁壊し会」では、自分の弱みを壁に書いて、それをハンマーで叩き潰すイベントをやった。どうせやるなら楽しくやりたい。同じように「壁塗り会」、「床張り会」と銘打って、イベント的にあちこちに声掛けをする。会社勤めの方も参加しやすいように、週末に工事日を決める。そうすると、三々五々と集まってきて、ユウト特製の背中にロゴの入ったかっこいいツナギの作業服にそれぞれ着替えて、作業に取り掛かる。作業着に着替えるだけで、気持ちがスイッチするから不思議なものだ。形から入るのも正しく、作業着を着て軍手をはめるだけで、職人になった気分になれる。朝礼とラジオ体操をして、安全第一!の掛け声をすることも忘れない。

↓↓↓この日の様子は動画でもぜひご覧ください。(撮影/編集 TAKESHI)

壁は漆喰で塗る。「うま~くヌレ~ル(日本プラスター社製)」という商品名のDIY定番の漆喰を使用する。ホームセンターなどでも売っている手軽なものだ。嬉しいことに、ショールームなどに行くと、塗り方について簡単なレッスンも無料で受けられるとても親切なメーカーさんだ。

とにかく、このヌレールが名前のとおりよく塗れるのだ。初めてでも、プロになったような気分になれる。小さい頃の粘土遊びと泥遊びと絵具遊びを足したような、そんな遊び心も刺激する楽しさがある。ケーキに生クリームを塗っているような感覚にも近い。料理に自信のある人なら、すぐにコツをつかむことができるだろう。ちなみに上の写真は私で、本職はいちおう不動産コンサルタントであって、日頃は作業の仕上りなどをチェックするほうの立場であるが、今回は「みんなでやる」のがコンセプトのプロジェクトだから、ひと肌脱いだ。というか、塗り方をマスターして、DIY参加者にそれを伝授する役割も果たさなければならない。コンサルタントは何でも屋、なのだ。

はじめはワイワイガヤガヤと賑やかな作業場も、いったん作業に入ると、皆黙々と壁塗りに没頭する。もう自分の世界に入ってしまっている。漆喰の面白いところは、塗り方で個性が出せることだ。いや、個性がにじみ出ると言ったほうがよいかもしれない。おそらく、みんなの頭の中では、自分の思い描く完成イメージがあって、それに向かってひたすら創作しているような感覚なのだろう。ここはまるで、美術部のアトリエに来たような感じとなった。

通算で見ても、DIYイベントの参加者には女性が多かった。見ていると、仕上りもうまく、作業も早い。現場仕事は男の世界というイメージだが、こと漆喰塗りに関しては、女性が向いているようだ。汚れを気にせず無心になれるから、日頃のストレス解消にもいいのかもしれない。作る喜びと達成感も得られるし、心底楽しそうだ。企画する側の立場からすると、DIYでやると工事費が安く抑えられるメリットもある。DIY参加者には日当がかからない。(食事は支給)

フローリング張りは漆喰よりも少し難易度が高い。まず、専用工具(床材にステープルを打ち込んで固定するタッカ―という電動工具)を使用する。電動カッターも使う。同時に危険も伴ってくる。それに、工事に要求される精度もシビアである。木材は湿度によって伸縮するから、フローリングの板と板の間にそのクリアランスを確保しなければならない。これが不足すると、将来的に反ったり浮いたりしてきてしまう。反対にクリアランスが大きすぎると、隙間にホコリが溜まりやすくなり、見た目も悪い。まさに紙一重の精度が必要とされる。そのためにはやり方がある。マニュアルには書かれていない職人技を施工を担当したファーストコンストラクションの親方に直接伝授してもらった。ファーストさんには工具もお借りさせてもらったし、休日なのにわざわざ指導にも来てくれた。たいていの工事会社は、このように素人が手を出すことをとても嫌う傾向がある。第一に危ないし、職人気質としては、素人の仕上りが気に入らないという気持ちも多少ある。そこを快く引き受けてくれたのだから、とても感謝だ。

さすがに慣れるのに時間がかかり、最初の一日は、スローペースのまま終わった。しかし、土日で目標のところまで終わらせないと、月曜日からの職人さんの作業に支障が出てしまうので、床と壁の同時施工に挑戦した。こうやって追い込まれると、本当の工事現場のような緊張感が漂ってくる。慣れてくると、自然と役割分担がなされてきて、木を切断するひと、寸法を測る人、木くずを清掃する人、接着剤を塗布する人に分かれて流れ作業が粛々と進み出した。だんだん、これが本職の人たちであるかのような錯覚にも陥った。こうなると、楽しいすら超えてしまう境地だ。

リビングの正面にアクセントウォールを作ろうということになった。フローリングの素材も雰囲気があるものを選んだから、それと合いそうなものを探した。ちょうど、気に入った厳選の物しか扱わない輸入建材の会社を思いついて、そのマテリアルワールドさんに相談したところ、本社事務所の壁面に古材を無造作に貼ったようなかっこいいものが一面に貼ってあって、聞くとそこの社長の堀部さんが「自分で貼ったよ。簡単だよ。」ということで、採用が決まった。商品名が「モンパルナス」となっていて、かつて椎名町に住み込みの画家のアトリエがたくさんあって、「池袋モンパルナス」と呼ばれていた時代もあり、偶然のご縁を感じた。長田さんと堀部さんががっちり握手をした光景が忘れられない。こうやってユウトヴィレッジは、数多くのご縁を引き寄せて、完成へと向かって行ったのだ。

 コンサルティング事例 
どうすればいいのか分からない

自宅や賃貸アパート、ビルなど建物(不動産)もはじめの頃は問題があまりなかったものの、年が経つごとに次第に悩みが多かれ少なかれ生じてきます。気が付くと問題が山積みになっているというようなこともしばしば見受けられます。特に古い建物になればなるほど、そういった傾向が目立ってきます。

古い建物に共通する問題

  • 経年劣化による不具合の問題

  ……漏水、設備故障、ひび割れ、傾きなど

  • 建てた(買った)時からの時代の変化によるミスマッチ

  ……家族構成・勤務先・収入等の変化、時代遅れの設備・耐震・断熱性能など

  • 建物とともにオーナーも歳をとることでの問題

  ……定年退職、気力の低下、親の相続、自分の相続

ある築年数でこれらの問題が一度に押し寄せるため、「どこから手をつけていいのか分からない」という状況に陥りがちです。しかし、複雑に見えることでも冷静に整理すれば、たいてい不動産に関する問題解決のパターンとして大きく以下の5つが考えられるものです。

<問題解決のパターン>
1. 売る
2. 貸す
3. 建替える
4. 使い続ける
5. 上記の組合せ

AIRYFLOWのコンサルティングでは、これらの選択肢を洗い出すところからスタートし、それらを中立客観的にかつ長期的な視点で比較検討して具体的なアクションまでサポートします。

納得できる解決方法が見つかります。
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