古い一軒家をシェアハウスに改装 PART3 【工事編】


これまでも、自分たちで壁を壊したりの工事をやっては来たが、本物の大工さんたちにお願いして本格的な工事に取り掛かることになったので、神主さんを呼んで、地鎮祭を執り行った。栃木県佐野市の由緒ある賀茂別雷神社からイケメン神職の毛利晴喜さんにわざわざお越しいただき、厳かに、また和やかに工事の安全を祈願した。小さい建物でも新築工事なら地鎮祭をやるのは珍しくはないが、このような改修工事でここまで正式なスタイルで地鎮祭を行うのは珍しいのではないかと思う。これも、ユウトヴィレッジの「みんなで作る」というコンセプトに則した仕掛けのひとつでもある。こうやって、どんどん多くの人が、このプロジェクトに巻き込まれてゆくのであった・・・。 賀茂別雷神社のホームページ

1階の和室の畳をはがし、根太や大引き(床下の木材のこと)を切断、撤去し、基礎土台があらわになった。ここからはもう素人のDIYでは太刀打ちできない、プロの職人の世界だ。扱う道具も違うし、危険も伴う。そこをベテランの経験則で手際よく進められていく。 さてしかし、さっそく大問題が発覚。床をはがしたら、床を下げて天井を高くする計画だったのが、想定外の場所にコンクリートの基礎が張りめぐらされいて、いきなり頭を抱えた。当然、建物を支えている基礎を簡単に取り外すことはできず、建築家の田口佳樹さんと対策を検討した。これとは別に湿気の問題もあって、床を下げることに反対する意見もあったが、長田さんの空間づくりに対する強い思い入れもあって、キッチン部分は残してリビングだけ床を下げるというアイデアが出されて、それに決まった。そうやって、我々は度重なる困難を乗り越えていったのだった。(なお、完成したところを見た人はご存知のとおり、これによってできた床の段差がちょうどいいイス替わりになって、さらに快適な空間となったことは、これぞ怪我の功名と言うしかない。)

かつて、台所があった場所も、壁をはがすとこういう状態になる。(これを「スケルトン」という)

床を剥がしたら、その下は土間のコンクリートがある想定だったが、実際には土の地べたが現れた。このままでは床の仕上げができないので、コンクリートを新たに打ち込むことになった。工事費は追加となってしまう。こうやって、改修工事では、想定外の費用がかかる点は要注意だ。

「古いものは活かす」と簡単に言っても、細かいところでは結構なやんでしまうものだ。全く新しく作る場合は、手順も材料も決まっているから、あまり悩むことはないが、既存建物のこのような改修の場合、古いところと新しいところの境目の作り方にこれといった定型があるわけでなく、大工さんと相談しながら納め方を考える。見栄えのデザインや防水などの機能面、それと経済性とのバランスを図りながら、地道な努力の積み重ねだ。写真では、自由が丘の古民家から運び出した大窓を取り付ける壁の枠まわりのディテールを検討しているところ。

古い建物によく見られるのが、謎の設備配管だ。長い建物の歴史の中で、その都度、改良を繰り返していて、設備配管が継ぎはぎのようになっていたりする。使われているのか、使われていないのかすら容易に判別がつかないことも多く、慎重に新しい配管とのつなぎ込みを行う。また、不要な配管の壁穴は、ネズミの侵入経路にもなりやすいので、適宜ふさいでいく。(それでもネズミが出てきてしまったが)

柱と梁とをむき出しにして、スケルトン状態にしたら、次は構造補強をとことんやる。昔の職人技では、木材と木材を「継手(つぎて)」という工法で巧みにつなぎ合わせていて、それはそれですごいのだが、今の耐震設計の考え方に基づくとそれでは不十分で、補強金具を使って、適切に構造補強が必要である。柱と土台、梁と柱、梁と屋根など、各所を補強していく。それと合わせて、地震の横揺れに強くするために、壁を部分的に強固に補強して、地震時の倒壊を防ぐ。構造計算をすることで、最新の構造基準に近い水準まで高めることができる。建物は、見た目の古い感じを上回る耐震性が確保されたのだ。

1階のリビングの床下には断熱材を張り巡らせた。古い建物は断熱性能が弱いので、これを現代の基準に近づけることが大事である。

屋根の裏側にも断熱材を貼り、合板でサンドイッチした。断熱をしないままの木造がむき出しの状態も見た目ではカッコイイが、快適にするには断熱をするに越したことはない。ただし、梁を残して露出させて、雰囲気を出すようにした。今の建物ではこのような梁は使わないので、昭和時代の貴重な名残である。こういうのは大事にしていきたい。もちろん、構造金物は最新の部材を使ってしっかり補強をする。過去と現代の素晴らしき融合がここにある。

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どうすればいいのか分からない

自宅や賃貸アパート、ビルなど建物(不動産)もはじめの頃は問題があまりなかったものの、年が経つごとに次第に悩みが多かれ少なかれ生じてきます。気が付くと問題が山積みになっているというようなこともしばしば見受けられます。特に古い建物になればなるほど、そういった傾向が目立ってきます。

古い建物に共通する問題

  • 経年劣化による不具合の問題

  ……漏水、設備故障、ひび割れ、傾きなど

  • 建てた(買った)時からの時代の変化によるミスマッチ

  ……家族構成・勤務先・収入等の変化、時代遅れの設備・耐震・断熱性能など

  • 建物とともにオーナーも歳をとることでの問題

  ……定年退職、気力の低下、親の相続、自分の相続

ある築年数でこれらの問題が一度に押し寄せるため、「どこから手をつけていいのか分からない」という状況に陥りがちです。しかし、複雑に見えることでも冷静に整理すれば、たいてい不動産に関する問題解決のパターンとして大きく以下の5つが考えられるものです。

<問題解決のパターン>
1. 売る
2. 貸す
3. 建替える
4. 使い続ける
5. 上記の組合せ

AIRYFLOWのコンサルティングでは、これらの選択肢を洗い出すところからスタートし、それらを中立客観的にかつ長期的な視点で比較検討して具体的なアクションまでサポートします。

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