燕三条の開かれた町工場から見える未来


燕三条で「工場の祭典」がこの4日間で開催された。今年で3回目のイベントで、期間中はこのエリアで点在する町工場を自由に見学できる。その数はなんと68か所もあり、工場だけでなく酒造所や農家までが含まれる。 「工場の祭典」公式ガイドブック http://kouba-fes.jp/wp-content/uploads/2015/09/KoubaFes.pdf このイベントと合わせて、「全国産業観光フォーラム2015」が同市内で開催され、700人ほどの参加者を集めて、大盛況だった。「産業観光」という言葉は、正直あまり聞き慣れないものだったが、歴史的・文化的に価値がある工場などのものづくりの現場に直接に触れることで、それを目的とした観光を言うらしい。最近では、富岡製糸場が世界遺産に認定されたことで、さらに関心が高まっている。 産業観光フォーラムでは、燕三条での工場開きをやってきたこれまでの関係者の苦労話や、それによって働き手の意識が変わってきたことなどを語るコーナーもあって、とても感銘を受けた。まず、試行錯誤しながらもやってきたこの地域の人たちの行動力に感心した。それと、それを多くの人や企業を巻き込んでいく共感力、それに、それを明るく楽しくやってのける様子がとても印象深かった。それと関連しているのかもしれないが、若い世代の人がたくさん頑張っているのもちょっと意外だった。地方都市の町工場というから、高齢化して後継者不足の窮状にあるイメージがあったが、全くそんな感じではなかった。また、比較的年配の方も若々しくてハツラツとしていた。仕事をしているような、遊んでいるような、そんな風にすら見える。ひと言でいうと、カッコイイ。とにかく、よそ者がはたから見ててうらやましくなるくらいだった。 はじめに、玉川堂(ぎょくせんどう)さんに行ってきた。創業1816年(文化13年)の銅器製造の老舗だ。工場は木造の古い建物で、作業場は畳間となっているが、ルイヴィトンとコラボレーション商品を開発するなど、世界的なブランドでもある。そのギャップがまたいい。ちなみに工場の建物は国の登録有形文化財でもある。 玉川堂 http://www.gyokusendo.com/

熱心に製造工程などの説明を聞く見学者

鍛金場は畳敷きとなっていて、高い槌音が響く

銅板を叩く時の裏当てに使う道具が幾種類も並ぶ

工場内のありのままの様子を間近に見ることができる

若い人も働いている

建物も昔のままで、ここだけ時が止まっているのかと錯覚する

ここの歴史や商売の在り方など、社員の方から静かな語り口で説明がある

伝統的な商家の造りの座敷で聞く、この雰囲気もいい

見学者には、ここで作られた茶器で淹れたお茶が振る舞われる

正面からは、日本庭園が出迎えてくれる

工場には静かな緊張感が張りつめているが、それと同じような凛とした雰囲気が、建物の随所で感じられる。それが商品のイメージとも重なり、巧みにブランディングされている。その影響は、ここで働いている人にも及んでいるのだろうと思う。話しでは、従業員の家族が誇りに思っていたり、芸大の学生などが就職を熱望するなどがあるそうだ。玉川堂の歴史は、和釘の製作にさかのぼる。和釘は、伊勢神宮にも使われている。もう他の地域では式年遷宮で和釘を奉納できる工場がなくなってしまったそうで、燕三条地域が唯一その担い手となっている。この地域が日本の宝なんだと感じた。

しかし、そうはいっても手放しで安泰というわけでもないだろう。玉川堂の施設の裏側に回ると、傷んだ家屋の状態がやや気になった。周辺の寂れぶりも伺える。

工場の裏の路地沿いには、古くからの料理屋が軒を連ねるが、やや寂れている

工場を裏から見ると、土蔵は劣化し、家屋は傾いているのが分かる

産業観光というが、その工場などの営みのみに注目するのでなく、周辺の散策やサイクリングなどと組合せれば、面的に広がってもっと面白くなりそうだ。もともと米や酒が美味い地域でもある。川や田園の風景も美しい。地場産業が力強い燕三条ではあるが、観光の面では脇役に回って考えてみるのもいいかもしれない。まずは、ビジネスホテル以外の泊まるところがもっとほしい。以下の写真は、古民家を改修した短期滞在ができる場所だ。町中を見渡すとこういう古民家が数多く残っているので、工場見学と合わせて、こんなところで滞在して、地元の料理を味わったりできるともっと楽しい。

築80年の町家を改修した賃貸スペースKAJI

壁面いっぱいに地元の鍛冶技術で作られた工具に囲まれたアトリエスペース

真ん中に大きな吹き抜け空間がある、この時代の建物には珍しい造り Craftsmen’s Inn KAJI http://sanjoy-machinaka.jp/kaji/

市内ではこのような昔ながらの朝市が日常的

ユニークなビニールハウスを利用したレストラン 今回、普段、東京中心に活動をしていると見えない多くのことをあらためて学んだ。よく、東京と地方とを対立軸で語ることが多いが、そういうことではない。特に燕三条のしたたかな人たちは、「東京」をうまく利用している。利用しつつ距離を置くことで、豊かさと温もり、あるいは洗練に満ちた充実した人生を獲得している。逆に言えば、東京で暮らしている人々は、もっと田舎を利用すべきだろう。ストックに注目すると、都会をどうする、田舎をどうするとバラバラに考えがちだが、人間中心に考えた場合には、ひとつの固定的なロケーションにこだわることはない。ましてや、国で多額な投資をしてきた高速道路などのインフラが極めて充実している現代においては、これらを最大活用して人生を設計するべきではないだろうか。そう考えると、このような地方都市の動きは無視できない、身近な話題として関心を寄せてほしい。いや、すでに気づかないところで無視できなくなっているのかもしれないが。

>> 活動日記一覧へ >> コンセプト「ストック活用」

どうすればいいのか分からない

自宅や賃貸アパート、ビルなど建物(不動産)もはじめの頃は問題があまりなかったものの、年が経つごとに次第に悩みが多かれ少なかれ生じてきます。気が付くと問題が山積みになっているというようなこともしばしば見受けられます。特に古い建物になればなるほど、そういった傾向が目立ってきます。

古い建物に共通する問題

  • 経年劣化による不具合の問題

  ……漏水、設備故障、ひび割れ、傾きなど

  • 建てた(買った)時からの時代の変化によるミスマッチ

  ……家族構成・勤務先・収入等の変化、時代遅れの設備・耐震・断熱性能など

  • 建物とともにオーナーも歳をとることでの問題

  ……定年退職、気力の低下、親の相続、自分の相続

ある築年数でこれらの問題が一度に押し寄せるため、「どこから手をつけていいのか分からない」という状況に陥りがちです。しかし、複雑に見えることでも冷静に整理すれば、たいてい不動産に関する問題解決のパターンとして大きく以下の5つが考えられるものです。

<問題解決のパターン>
1. 売る
2. 貸す
3. 建替える
4. 使い続ける
5. 上記の組合せ

AIRYFLOWのコンサルティングでは、これらの選択肢を洗い出すところからスタートし、それらを中立客観的にかつ長期的な視点で比較検討して具体的なアクションまでサポートします。

納得できる解決方法が見つかります