国際的都市に変貌する品川駅に近い宿場町を守る人々
品川駅から南に少し行ったところが、かつての東海道の宿場町「品川宿」で、江戸を出てから一番目の宿場であった。駅でいうと京浜急行の「北品川」が近い。品川駅よりも南にあって北品川というと奇妙にも聞こえるが、実はここは品川区では最北に位置し、一方で品川駅は港区なのだ。そもそも国鉄の品川駅ができる前から品川宿が存在していたわけで、「品川」と言えば、この地が本家と言える。今では、小さめの道路をはさんで軒を並べる商店街を中心に、当時の名残を少しずつ感じることができる。江戸時代のままとまでも言わないまでも、昭和的なものも含めて懐かしい雰囲気を路地裏のいたるで見つけ出すことができる。 ちょうどこの北品川の地でシェアハウスのプロジェクトがはじまったこともあり、その解体イベントの後、土ぼこりになった体を銭湯で流し落してから、品川宿のまちづくりの会合「まちゼミ」に参加した。地元の人を中心にたくさんの人が夕闇に灯る品川宿交流館に集まり、すごい熱気だった。参加者には缶ビールとつまみが振る舞われ、気軽な気分で話を聞いたのだが、ゲストは長野から来られた倉石智典さんで、善光寺の周辺で空き家をリノベーションしてそこでお店などやりたい人とマッチングをして魅力的なまちづくりを手掛けられている方で、その熱い話にほろ酔いも吹き飛んだ。 空き家の有効活用は当社もいろいろ手掛けてはいるが、やはり難しさもある。空き家の魅力を引き出して、それを使いたい人に借りてもらうのが一番なわけだが、そういう経験がないオーナーが人に貸すことに躊躇いを感じてしまうというケースも少なくない。長野に関しては、空き家オーナーに来る者を招き入れる気質があって、割と話がスムーズに進むということが言われていた。たぶん、いろいろ努力された結果とは思うが、この要素は大きい。こと品川宿においても、長野に通じるおもてなしの精神がありそうで、これからの可能性が大きいと感じた。
品川駅は、新幹線に加えてリニアの新駅ともなる予定で、さらにはその北側の山手線新駅の開通による大再発プロジェクトが進行中で、国際化が進む羽田にも近い地理性から今後の注目度が極めて高い。幸か不幸か、その至近にある旧品川宿の街並みは、再開発の波によって危機的なことにもなり得る。もちろん、うまくその流れを利用できれば、外国人が日本風情を堪能できる素晴らしい場所にもなれる。だから、今が大事なのだ。
東海道品川宿・まちゼミ https://www.facebook.com/shinagawa.machizemi 旧東海道品川宿周辺まちづくり協議会 http://shinagawa-syuku.net/ CAMP不動産(マイルーム) http://camp-r.jp/
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